ザッキカナ やればできる!?
2020年1月24日動画配信
2020年1月29日今回のキッズミニコンペはナガモノで行いました。
スクールでは1~3月はナガモノ強化期間としてナガモノを中心に練習をしており、
1か月間の練習の成果をキッズミニコンペで発揮してもらおうと考えました。
ルートは2本で1本目はフラッシュ方式、2本目はオンサイト方式としました。
フラッシュ方式とは他の人の登りを見ても良く、アドバイスもOKです。
当然、後から登る方が色々な人の登りを見れるので有利ではありますが、
後ろの方で登ると2本目との休憩時間が少なくなります。
順番はくじ引きで決めました。
オンサイト方式は他の人の登りを見ることができず、アドバイスもできません。
他の人がどこまで登ったかも分かりません。
順番は1本目の順位の下位から登りました。
1本目は90°~115° 手数は31手 グレードは5.10c(コンペ中はグレード非公開)
まず、たくみ君と私がデモンストレーションとして登りました。
1か所2通りの行き方があるところはそれぞれ違う登り方をしました。
コンペがスタートし、1番から順に登っていきました。
セッターが見積もっていたより、みんなの実力が勝ったのか、みんな次々とゴールまで到達。
後ろの順番の人はゴールまでいかないといけないプレッシャーがかかっているようでしたが、
みんなよく頑張って登っていました。
そんな中、ゴールまで行けるだろうと思っていた人が、途中で落ちてしまいました。
おそらく、自分はゴールまで行けるだろうと油断があったのかもしれません。
知っているメンバーの中でのコンペは、お互いの実力が分かります。
自分より実力の下の人が登れていたから大丈夫だろうと気の緩みがミスにつながることもあります。
1本目の結果は12人中10人完登。グレードは5.10c
ほとんどの人が他の人の登りを参考にして上手に登れていました。
しかし、他の人の登りを参考に出来ていない人もいました。
SORANIのレッスンでは、他の人の動きを参考にするのはとても大切なことと伝えています。
コンペ中に、他の人の動きを参考にできなかった人は、
日頃から他の人の動きを見ることをおろそかにしているのでないかと思います。
他の人の動きをみながら自分の動きを考えていくのは重要なことなので、
レッスンの課題として、今後の指導に生かしていこうと思いました。
5分ほどの休憩をはさんで2本目開始です。
2本目 140°~ルーフ~ルーフ上 グレード5.12a(グレードはコンペ中非公開)
1本目と比べて最初から気が抜けないルートです。
特に身長の低い低学年は出だしから思い切っていく必要があります。
思い切って手を出せなかった人は落ちてしまいました。
ルーフへのクライムダウンで手順が分からず落ちた人や力を使ってしまった人もいました。
ルーフに入るとレストをしたり、考えたりする余裕はなくなるので、
ムーブを読み切り、体力が残っていないとルーフを越えることはできません。
結局、ルーフを越えた人はいませんでした。
各自、精一杯頑張ったなと思いました。
終わってから「ふりかえり」をしました。
ナガモノやリードでは色々な力が必要とされます。
まずは持久力。手数の長いルートを登る体力が必要です。
次にオンサイトなら自分でどうやって登るかムーブを考えなければなりません。
ムーブが間違っていれば体力が残っていても登れません。
その次に1手1手を登りきるムーブ力が必要になります。
続けてはできないけど、1手1手やればできる状態であれば、体力やムーブを読む力があれば完登できます。
しかし、1手1手ができないところがあれば、ムーブ力が不足しています。
その場合は手数の少ないボルダーやできない箇所を練習する必要があります。
最後に気持ちの切り替えも必要になります。
ナガモノやリードでは落ちたらそれで終了となり、再トライができません。
そのため、落ちないように慎重に登ろうとしてしまいます。
しかしランジや遠いところに手を出すときには思いっきりが必要になります。
躊躇しているとその間に力を使ってしまったり、慎重に手を出して届かないということがあります。
気持ちを切り替えて思い切っていくことも必要になります。
その他にも焦って登ったり、登れるだろうと油断したり、気持ちのコントロールも必要です。
子供達にはなぜ落ちたのか?を考えてもらいました。
体力がなかったのか、ムーブが間違っていたのか、突破するムーブ力がなかったのか、気持ちの切り替えができなかったのか。
落ちた理由が分かれば、今後の練習に生かすことができます。
コンペは結果だけが大切なのではなく、結果をどのように次に生かすかが重要です。
自分のできていないところや苦手なところに目を向けるのは辛いことですが、
できないところや苦手は部分は伸びしろだと思って頑張ってほしいです。
今回は初のナガモノコンペでしたが、ボルダーとはまた違った課題もみえてきて、
全体的なクライミング力を上げていくために、
今後、どのようにレッスンを行うか考えるよい機会となりました。
子供達には、クライミングの全般能力をアップできるようにと思っています。
それぞれの課題を克服しながら、次も頑張っていってほしいなと思います。
Written By 吉谷 知将